ビデオテープのカビを除去(ザ・ビジネスサポート)
2000年3月号
ビデオテープのクリーニング
子供の成長記録、一生に一度の結婚式、歴史に残る名勝負、何度でも見たい不朽の名作―。そんな大切なビデオテープが、カビやホコリに侵されてはいないだろうか?
ビデオテープは高温・多湿を嫌い、その保存には細心の注意が必要だ。ホコリが付着しカビが繁殖してしまうと、それはテープの縁から中心へと広がっていき、画像や音声が乱れたり再生が困難になるばかりか、再生したビデオデッキの内部にまでカビやホコリをまき散らし、ヘッドの目詰まりや故障の原因にもなってしまう。
そこでぜひ利用したいのが、日本ビデオ映像保存研究所(東京都渋谷区)がビデオレンタルショップや個人を対象に行っている、ビデオテープのクリーニング・ダビングサービス。昨年10月のスタート以来、全国各地からビデオテープが送られてくるという人気ぶりだ。
クリーニング作業に使用するのは、同社が独自に開発したマシン。早送りしながら無水アルコールでテープ表面の汚れをふき取り、張り付かないよう即座に乾燥させ、巻き取る。さらにテープケースも分解し、ケース内の部品をクリーニングして、カビの再繁殖防止のための抗菌剤を塗布する。
「クリーニングによって録画時のクオリティーに近づいた映像は、新しいビデオテープやディスクにダビングして保存することをお勧めしています」とは、同社社長の井古田秀彦さん。VHSへのアナログダビング、もしくはディスク、D-VHSへのデジタルダビングで、大切な映像は半永久的に保存できるようになるということだ。
クリーニング・ダビングが完了したビデオテープは、前1か所、中間2か所、終わり1か所の計4か所を再生し検査する。もちろん映像内容の秘密は守られるが、他人に見られたくないプライベート映像であれば、申込時に検査拒否を申し出ることも可能だ。
サービス料金は、VHS、VHS-C、8ミリのクリーニングが2,500円(60分テープの場合)、VHSへのアナログダビングが1,200円(同・テープ代金含む)。とくに汚れがひどいテープに関しては、熟練した技術者の手作業によるふき取りやテープ修理(切れたテープのつなぎ合わせなど)を別料金(1,000円~)で行っている。
今後はベータのクリーニング・ダビングサービスも始める予定だ。